カズオイシグロ「忘れられた巨人」
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)
舞台設定はアーサー王が亡くなってから間もなくですから、6世紀頃だと思われます。
少しづつ記憶か消えてしまう不思議な村に住むアクセルとベアトリスの老夫婦が遠い地で暮らす息子に会うために旅に出ます。
旅の途中に立ち寄った村で起こったある出来事がきっかけで、老夫婦は一人の戦士ウィンスタンと、ある事件のために村にいられなくなった不思議な少年エドウィンと行動をともにすることになります。
最初の目的地である修道院で恐ろしい儀式が行われていると知ります。また謎の兵士達に命を狙われた一行は、ガウェイン卿の手引きにより助かりますが、猛獣が目の前に立ちはだかり、、
ジャンルでいうとファンタジーでしょうか。私は普段あまりファンタジーを読まないので、読み進むのに時間がかかりました。
作品が進むにつれてよみがえってくるアクセルの記憶や、謎の多いエドウインの隠された想いや行動が見所となっています。
民族同士の根深い確執なども描かれていて、史実に基づいて書かれた部分もあり大変興味深いです。
また長年連れ添った夫婦のあり方についても問う作品となっています。この結末をどうとらえるか、人によって違い面白いのではないかと思います。
評価⭐️⭐️⭐️