小川糸「ツバキ文具店」


ツバキ文具店

厳しい祖母に育てられた主人公の鳩子は、祖母亡き後祖母の営んでいたツバキ文具店、そして代書屋という仕事を継ぐことになります。代書屋という特殊な仕事柄、店にはさまざまな人々が色んな想いを抱えながらやって来ます。その依頼はラブレター、絶縁状、天国からの手紙などさまざまです。

物語は代書屋の鳩子と依頼人のやりとりを中心に語られていきます。手紙そのものももちろんですが、鳩子はさらにその手紙に使う便箋や封筒、時には万年筆の色など細部にまでこだわります。もちろんそこにはプロとしての意識の高さもあるのだと思いますが、それ以上に手紙というのは誰かを大切に思わないと書けないのではないかと思いました。

もちろん物語は代書屋の事ばかりではなく、鳩子の何気ない日常も描かれています。そこには素敵な人との出逢いもあったり、、私は鳩子の住む鎌倉には行ったことはありませんが、とても素朴で素敵な所だなぁ、住んでみたいなあと思いました。あと無性に鳩サブレが食べたくなります笑

小川さんは日常の中にある小さな幸せをえがくのがとても上手な方で、私はそういう小川さんの作品がとても好きです(*^^*)
評価⭐️⭐️⭐️⭐️