小川糸「リボン」


([お]5-4)リボン (ポプラ文庫)

少女と祖母が偶然見つけた鳥の卵。卵を孵すために少女は一生懸命大切に温めます。そしでその甲斐あって無事に孵ります。生まれたのは一羽のとてもかわいいオカメインコでした。二人はこのインコにリボンという名前をつけ、リボンを大切にかわいがって育てますが、ちょっとした不注意からリボンは外の世界へ飛び立っていってしまいます。

もちろん少女はとても落胆します。しかしこの物語が本当の意味で動き出すのはここからだと思います。その後リボンはさまざまは人々に出逢い、出逢った人々はリボンに心を寄せることで、生きる力を取り戻していきます。

やがて祖母が亡くなり、一方で卵を孵した少女もまた成長し大人の女性になります。彼女にもさまざまは変化があり、もちろん良いことばかりではなく苦しいこともあります。そんな彼女の人生は、どこかでいつもリボンやリボンと出逢った人々の想いとリンクしているように思います。

あまりネタバレはしたくないのですが、、実は大人になった主人公がリボンと再会する場面があります。それは本当に一瞬なのですが、私はこのシーンがとても好きです。人と人との出逢いももちろん大切ですが、生きていく中ではそれ以外にもかけがえのない出逢いというものがあるのだなと実感しました。

本の内容とは関係ないのですが、、私はこの「リボン」という本の装丁が好きです。本の表紙に描かれている、ちょっと首をかしげたようなリボンの絵がとても可愛くて眺めているだけで幸せな気持ちになります(*^^*)
評価⭐️⭐️⭐️⭐️