「地の星 なでしこ物語」伊吹有喜


地の星 なでし子物語

「なでしこ物語」の続編です。結婚し一児の母となった耀子は今も遠藤家の常夏荘で暮らしています。女主人となりおあんさんと呼ばれていますが、そこにかつての栄華はありません。時が経ち、時代の流れの中で凋落してしまった遠藤家は
建物は荒れ、かつていた使用人達もほとんどいなくなってしまいました。

耀子は麓のスーパーでパート店員として働き始めますが、そこで懐かしい顔触れの人達と再会します。思えばこの再会がこの物語を大きく動かすきっかけになったように思います。店は経営がけして順調とは言えませんが、耀子ら従業員が考え出したアイデアにより少しづつ活気を取り戻していきます。やがてそのことが耀子を大変大きな決断へと導いていきますが、、

物語の冒頭では、若くてはかなげな女性という感じの耀子ですが、さまざまな人と出逢い、色々な経験をすることによってどんどん変わっていきます。そこには女性としての強さというか母親としてのたくましさを感じます。 

やはり印象に残ったのは立海との再会の場面でしょうか。ネタバレになってしまうので詳しくは明かせませんが、立海の耀子への想いの深さがとても切ないです。

この作品はなでしこ物語の続編ですが、前作を読んでいなくても楽しめる作品であると思います。とても良い作品なので一人でも多くの方に読んでいただきたいです。(^^)
評価⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️