吉田篤弘「小さな男*静かな声」


小さな男*静かな声 (中公文庫)

すごく面白くて良い作品でぜひ人に薦めたい!でもその良さを説明するのが少し難しい…そういう作家さんの作品が結構ありますよね。

単に私の語彙力が乏しいだけなのかもしれませんが…(^_^;)吉田篤弘氏も私が好きなそんな作家さんの一人です。

この作品の主人公は二人います。

百貨店の寝具売り場に勤めながら、帰宅後に完成することのない百科事典を執筆することを趣味としている「小さな男」、そしてラジオの深夜放送のパーソナリティーをつとめる静香さんという女性です。

大きな事件が起こるわけではなく、どちらかといえば淡々と静かに過ぎていく二人の持つ時間が、何だかうらやましくなってしまいます。

日常の何気ない出来事にこそ幸せのヒントが隠されている、そんなことに気づかせてくれる作品です。

吉田氏はささやかな幸せを見つける天才です。

「それからはスープのことばかり考えて暮らした」も「電球交換士の憂鬱」も大好きで、その他にもたくさん良い作品がたくさんあるので、少しずつ紹介していけたらなと思っています。
評価☆☆☆☆☆